誠に勝手ながら本日は店休とさせていただきますと同じだろ
グノシーか何かで、『間違ったビジネス用語』みたいな記事を見つけた。
言葉に関する話題は大好きだから、つい読んでしまう。
挙がっているのはどれも有名なやつばかりで、目新しいものはなかった。
上司にご苦労さまはダメだよ、とか
了解ですもダメ、とか。
そんな中ひとつだけ、気になるものがあった。
それは、「お休みをいただいております」という表現。
「どうも、近野電機の古野ですけど、よなねずさんいらっしゃいます?」
「申し訳ありません、よなねずは本日お休みをいただいておりまして」
ってやつだ。誤用だというのをたまに目にする。
社外の人に対して、休みをくれた自分の会社を敬わんでよろしい、という理論のもと、
「休暇を取っております」が適切だと述べられている。
はたしてそうかな。
というより、この解釈自体がまちがっている気がする。
この場合、別に「休ませてもらって、社長さんほんとにありがとね♡」と身内を敬っているわけではない。
かといって、「大学時代は幹事長を務めさせていただきました」
とかいう敬意の対象が不明な“させていただく病”の一種ともちがう。
(させていただくの乱用、本当に嫌い。じんましん出そう)
これはちゃんと、電話の向こうの相手を敬っている使い方だとわたしは思う。
「あなたや世間の皆さまが一生懸命働いてらっしゃるところを、
ウチのよなねずはお休みさせてもらっています、申し訳ありませんねえ」
わたしがこの表現を使うときは、こんな感覚であって、
悪いけれど社内の人間のことなんて1ミリも考えていない。笑
つまり敬意の対象は、電話の相手の人を筆頭に今この時間お仕事をされている日本の皆さまなのである。
もちろん、この言い回しをする人すべてが同じ感覚を持っているとはいわないけれど、
だいたいは似たようなイメージで使っているのではないかなあと思う。
そもそも相手の人が感覚を共有できなければ、つかうべきではないけれども。