近野電機・近洋ラジエータ 新館

姫サーのオタです。いちおうネット屋

ショップ店員さんがスマートだった話

地味だけど賢さがにじみ出るアイデアに出会った話です。



6月30日、わたしは父とお台場にてガンダムの見学後、ダイバーシティ東京を散策していました。
ご存知のとおり当方ゆるふわなもので、洋服も買い物も大好きです。
しかも今日は大蔵省の出張機関が横にいる!(本当は彼自身が造幣局なんですけどね…)

さっそく入口付近の洋服屋で、タイムセールに遭遇しましたよ!
もともと店内40%オフだったのが、4時までにレジに並べばさらに20%オフになるそうです。
おお、あと20分くらいで終わっちゃう。


店員さんの呼び込みもあってか、お店はかなり混んでいました。
やれやれみんな!順調に煽られているな!たくさん買うがよい!!(・∀・*)
わたしは「仮に買ったとして、火事が起きたらその服を持って逃げるか?」
という衝動買い欲求用のファイヤーウォ〜ルをMAXにして、
以前から欲しかった型のパンツ1着にとどめることができました。まだ他の店もあるしな。

そして、人口密度の低い値下げ対象外のコーナーにつっ立っている父にお会計を頼み、
お電話をする用事があったので店を離れました。



その後、お台場から帰る電車内で父からクイズが出ました。
彼は店内にぬぼっと立っているとき、また会計を待ちながら、こんなことを考えていたそうです。

「4時までに並んだ客をどうやって区切るのか」

さすが関西人。むしろショーパン片手に店内を観察するただの不審者だったかもしれません。

まあそれはともかく、わたしが店員だったらどうするでしょうか。
最後尾のお客さんにフダみたいなものを渡すとか?
ここまで!という具合でスタッフを一人立たせておく、とか?
う〜ん、あんまりいい考えが思いつきません。というわけで降参。
皆さんだったらどうなさいますかね。


さて、このお店のとった方法はこうです。

まず4時になった途端に、店員さんの呼び込みのセリフからタイムセールに関する文言が消えました。
と同時に彼女らは、関連のポスターやpopなどを、素早く片付けてしまいました。
そしてまるでタイムセールなどなかったかのように、
「クリアランスやっていま〜す!店内すべて40%オフで〜す」
としれっと通常営業に戻ったそうです。

「この変わり身はすごい。ちょっとパパ夢かと思ってお姉さんに聞いたわ」
(50歳男性、会社員)

つまり4時をまわってから店に来た人は、タイムセールのことを知らないのです。
それに、ほとんどの人は、前に並んでいる人たちが何割引きで購入しているかなど気にしません。
もちろん店員さんは4時の時点で最後に並んでいる人の顔を憶えているはずですが…。
ここからはわたしの想像ですが、
ラストのお客さんまでは特に何も言わずに40%x20%の割引をし、
その後ろの人からは、これまた特に何も言わずに、通常の40%引きに戻すのでしょう。
そこで何か言ってくる人がいれば、個別に対応するつもりなんじゃないかな。

それにしても、これはなかなかいい方法だなあと思いました。
わたしの考えたやり方では、余計なものや人を要してしまいます。
そして何より、4時以降に来店した人がタイムセールのことを知ったら、購買意欲をなくしますよね。
ちょっと早く来ていたら、同じものがもっと安く買えたわけですから。

店舗スタッフさんのアイデアではないのかもしれませんが、おお!となった出来事でした。
もし、特に意識せず自然にやっていたとしたら本当にすごい。



余談ですが、40%オフの20%オフは52%オフで、半額とそう変わりません。
それでも半額と表現するよりもずっとお得感がありませんか?
一瞬で何割引かわからず、何かすごく安くなるような印象を与えるのでしょうか。
後ろにいたカップルなんて、「40+20で60%オフじゃね?」とか言っていましたしね。

あ、あともうひとつ気づいたことがあります。
ショップ店員さんが「どっから声出してんだよ」という独特の発声法を使うのは、
もしかすると、喉を痛めないためなのかもしれません。