近野電機・近洋ラジエータ 新館

姫サーのオタです。いちおうネット屋

うえさまのオナーリ

わたしの母は自分の過去の話をあまりしたがらない。
まあ無理に尋ねても仕方がないので、
父もわたしたちも敢えてそれに触れないようにしている。

それでも、まれに自分から学生時代などの話をしてくれることがある。
中でも印象的だったのは、高校の文化祭でつくった映画の話だ。

母が何を担当したのかは結局聞いていないが、とりあえずJK母は映画制作に参加した。
タイトルは「水戸肛門」
本編に関しては、「すごくくだらないし、憶えていない」
という彼女の判断で一切語られなかったが、
そのエンドクレジットがなかなか秀逸だった。



まず、授業中の教室を後ろから映した映像が流れる。
突然、ひとりの男子生徒が手を挙げる。
「先生、トイレ行ってきてもいいですか」

許可を得て小走りでトイレへと向かう男子生徒の背中をカメラは追う。
彼は個室に駆け込むと、(なるほど〜けっこう緊急だったわけだ)
おもむろにトイレットペーパーを引き出し始めた。

そこでこのBGMが始まる。


察しのいい方ならお気づきかもしれないが、
このトイレットペーパーこそが、エンド「ロール」なのである。
和式便器にしゃがみこみながら、ひたすらトイレットペーパーを
巻き取り続ける半ケツの少年の後ろ姿と、水戸黄門のテーマ―。
この分だと、「くだらない」の一言で省略されてしまった本編にも期待ができそうだ。



母によると、このアイディアを使いたいがための「水戸肛門」で、
本編は下ネタ映画でも何でもないらしい。
仮にも学校行事なのだからあたりまえだと思うが。

それにしても母が口を開くと大抵こんな感じの話である。
両親が大切にしまいこんでいる、交際期間にやりとりしていた手紙の中の、
スイーツっぷり全開な母とは対照的だ。
あなたの可愛い彼女も、実はまだ肛門期かもしれませんよ。